医院名:西島クリニック 
住所:東京都渋谷区渋谷3-9-9 東京建物渋谷ビル2F 
TEL:03-3400-3637

よくある胃・腸の症状

よくある胃・腸の症状

腸の症状

  • 胃が痛い
  • 吐き気がする
  • いつもお腹が張っている
  • すぐにお腹がいっぱいになってしまう
  • 便がでない・すぐ下痢になってしまう

胃腸の症状は様々なものがあります。原因としては逆流性食道炎、胃炎、胃潰瘍などがありそれぞれに胃液をおさえるお薬やピロリ菌の除菌などでよくなることも多くあります。また、胃カメラや大腸カメラで胃がんや大腸がんが見つかり、これにより症状がでている場合には外科治療をご相談することもあります。

内視鏡検査で特に何も見つからないのに症状だけ強くあるというケース

内視鏡検査で特に何も見つからないのに症状だけ強くあるというケースも沢山あります。
それは

症状と病気は一対一ではない

胃腸の動きが良すぎたり低下していることで症状が起こる場合もある

からです。

症状と病気は一対一ではない場合の症例

胃と腸は同じ消化管で口から肛門までつながっています。
なので、胃が痛いから胃に何かある、または腸が調子悪いから腸に何かあると一概には言えません。特にみぞおちより上の症状、いわゆる“胃”として認識されやすい症状、「胃が痛い」「吐き気がする」などが必ずしも本当に胃から来ているかというと、いつも一対一とはかぎりません。
例えば50代女性、吐き気やすぐにお腹がいっぱいになってしまうという患者さん、胃の調子がわるいので検査もふくめて診察してほしいと当院を受診されました。
よくお話を伺うとかなりの便秘でした。この方には下剤を処方し便秘が解消したことで症状がよくなりました。大腸の症状をよくすることでこの方の自覚する「胃」の症状は軽減されました。もちろん胃カメラも行いましたが特に胃炎や胃潰瘍などもありませんでした。

胃腸の動きが良すぎたり低下していることで症状が起こる場合の症例

20代男性、突然胃痛が出現し、何度か救急要請をされ胃カメラを行った経験があります。胆石が動くことによっても同様の痛みがでることもあるため腹部エコー検査で胆のうも検査されましたが、特に問題ありません。この方は胃の動きを改善する薬(腸ぜん動改善薬)で症状が改善しました。

このように内視鏡検査で何か異常があれば治療は対応するものを行えますが、何も見つからないのに症状がある病気は、機能性消化管障害(以下を参照してください)と呼ばれ、患者さんは増加傾向にあります。

また、特に女性の場合、婦人科領域の病気や毎月の月経により胃腸の不調を自覚される方もいます。内視鏡検査を含む全身の検査はもちろん大事ですが、すぐに治療が必要な病気を除外した上でも症状が自覚される場合、機能性消化管障害として内科治療を行うことになります。

機能性消化管障害について

胃が重い、食べてすぐにお腹が張る、緊張すると下痢をする、いつも便秘・・・
気づくと長い間、このような症状に悩んでいる方々、最近多くいらっしゃいます。
そんな器質的な病変が認められないにもかかわらず慢性的な消化器症状を呈する疾患群のことを機能性消化管障害といいます。
少なくとも人口の約20%が胃・十二指腸に由来する慢性症状を持っており、その多くは、器質的疾患を持たない機能性疾患であるとも言われています。(機能性ディスペプシアガイドライン2014より)

機能性消化管障害には以下があります

  • 機能性ディスペプシア
  • 過敏性腸症候群

機能性ディスペプシアと過敏性腸症候群

機能性ディスペプシアとは

器質的な要因(逆流性食道炎、胃・十二指腸潰瘍など)を認めないにもかかわらず、胃痛など様々な症状を自覚する状態を指す疾患群です。

過敏性腸症候群とは

腹痛を伴う下痢・便秘などの排便障害を自覚する疾患群です。

大前提として、消化管精査(内視鏡検査、CT検査など)で器質的な要因(癌、胃炎、大腸炎など)が無いことが前提です。それらがなくても消化器の様々な症状を自覚する患者さんは現在、機能性消化管障害として増えてきています。
ちなみに、機能性ディスペプシアと過敏性腸症候群は約30%がオーバーラップし、逆流症状を自覚しながら便秘や下痢などの症状にも悩まされているといわれています。

症状

FD(機能性ディスペプシア)の原因

症状としては以下のような、いわゆる胃潰瘍や逆流性食道炎と同じようなものが自覚されます。

  • 常に満腹感があり、満足に食べられない。
  • みぞおちに痛みあがる。
  • 胸が焼けるように痛い。

また、症状は一つではなく、複数が当てはまる方もいます。
実際に、疾患として診断や治療のガイドラインがあります。

機能性ディスペプシアの原因と検査・治療

原因

症状が起きる原因として下記のものが挙げられます。

機能性ディスペプシアに影響を与える要素
  1. 胃運動機能障害
  2. 内臓知覚過敏
  3. 胃酸分泌異常
  4. ヘリコバクター・ピロリ感染
  5. 生活習慣
  6. 精神・心理的異常  など

胃自体の動き、食べ物が胃・十二指腸に触れた時の知覚、胃酸の分泌、ヘリコバクター・ピロリの感染、生活習慣や心理的な問題も関与すると考えられています。
実際には、これらの要素が1つではなく、いくつか組み合わさって症状が出る場合もあります。

検査

検査としてまずは内視鏡検査や必要であれば全身の画像検査を行い、すぐに治療しなくてはならない病気を除外します。その上で、原因となるものが見つからない場合には胃や腸の“動き”による症状として内科治療を行います。

治療

患者さんとの問診などから原因を見つけ、内服治療からはじめていきます。いくつかの原因が1つの症状として自覚されている場合もあるので、治療は多方面からのアプローチになることもあります。胃酸をおさえるお薬や胃腸のガスをとりのぞくお薬、便秘を改善するお薬や時には安定剤の内服で効果を認める場合もあります。大事なことは、すぐ治すのではなく、ゆっくり治してゆくことです。

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